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日本の天守が現存する12のお城を全て紹介!

日本のお城の象徴「天守閣」。江戸時代以前から残っているのは12!

日本のお城の象徴とも言える天守閣。現在、江戸時代以前に建設され現在まで保存されている天守は12あります

これらは「現存12天守」と呼ばれ、全てが重要文化財にしていされています。また、そのうち5つは国宝にも指定されています。

この貴重な文化遺産は、日本の歴史と伝統を知るうえで非常に重要な存在です。

この記事では、日本の現存天守を全て紹介します。

現存12天守全てを紹介

現存12天守の中でも、5つの城が国宝に指定され、7つの城が重要文化財に指定されています。

これらの城は、それぞれの地域で異なる建築様式や歴史的背景を持ち、日本の多様な文化を象徴しています。

国宝指定の5城

松本城(長野県)

長野県松本市に位置する松本城は、現存する五重六階の天守の中では最古のお城です。

元々は深志城(ふかしじょう)と呼ばれ、戦国時代であった永正年間(1504年~1520年)に小笠原氏によって築かれたのが始まりとされています。 天守の建造年にはいくつかの説がありますが文禄2年(1593年)あたりだと言われています。

犬山城(愛知県)

犬山城(いぬやまじょう)は、日本の愛知県犬山市に位置する平山城です。

天文6年(1537年)に織田信長の叔父である織田信康によって築かれました。天守は日本最古の木造天守であり、その美しい景観と歴史的価値から多くの観光客を惹きつけています。

彦根城(滋賀県)

滋賀県彦根市に位置する彦根城は、江戸時代の名城の一つで、天守は3階3重の天守をもつお城です。

1604年(慶長9年)、徳川家康の命により築城が開始され、20年の歳月をかけて完成しました。築城には、大津城や長浜城の資材が再利用されており、効率的な建築が行われたことでも知られています。天守は3階3重の美しい構造で、多様な屋根形式が採用されているのが特徴です。また、天秤櫓は左右対称の独特なデザインで、他の城から移築されたものと考えられています。

姫路城(兵庫県)

兵庫県姫路市に位置する姫路城(ひめじじょう)は、その優美な白い外観から「白鷺城(しらさぎじょう)」とも呼ばれています。

1993年には、日本で初めてユネスコの世界文化遺産に登録されました。

現在の姫路城は、1601年から1609年にかけて池田輝政による大規模な改修で完成したものです。天守は5重6階の構造を持ち、日本最大級の現存天守として知られています。城全体が巧妙に設計されており、堅牢な防御構造を持ちながらも美しい外観を保っています。

松江城(島根県)

島根県松江市に位置する松江城(まつえじょう)は、「千鳥城」の愛称で親しまれる城で、2015年に国宝に指定されました。

堀尾忠氏によって1607年に築城が開始され、1611年に完成しました。現存する12天守の一つで、外観4重、内部5階の望楼型天守を持つ優美な構造が特徴です。

重要文化財指定の7城

丸岡城(福井県)

福井県坂井市に位置する丸岡城(まるおかじょう)は、1576年に柴田勝豊によって築城されました。北陸地方で唯一の現存天守を持ち、「霞ヶ城(かすみがじょう)」の別名でも知られています。

天守は2重3階建てで、古い工法で築かれた石垣が特徴です。国の重要文化財に指定されており、歴史的価値が高い城です。

備中松山城(岡山県)

岡山県高梁市に位置する備中松山城(びっちゅうまつやまじょう)は、標高約480メートルの臥牛山(がぎゅうざん)に築かれた山城で、現存する天守を持つ日本唯一の山城として知られています。

1240年(仁治元年)に秋庭重信によって築かれ、その後戦国時代に三村氏が拡張を行いました。江戸時代には水谷氏や板倉氏などが城主を務め、現在の天守は1681年(天和元年)に水谷勝宗が改修したものとされています。

城内には二重櫓や土塀などの重要文化財が現存しており、往時の姿を今に伝えています。また、秋から冬にかけて発生する雲海が城を囲む様子は「天空の山城」として人気があり、特に10月下旬から12月上旬の早朝が見頃です。

丸亀城(香川県)

香川県丸亀市に位置する丸亀城は、「石垣の名城」として知られる美しい平山城です。別名を亀山城や蓬莱城とも呼ばれ、その高石垣と現存する天守で注目を集めています。

築城は1597年(慶長2年)、豊臣政権下で生駒親正によって始まり、1602年(慶長7年)に完成しました。その後、江戸時代には京極氏の居城として機能しました。天守は現存する12天守の中で最も小規模ながら、優美な外観が特徴です。

松山城(愛媛県)

愛媛県松山市に位置する松山城は、日本三大平山城の一つで、1602年に加藤嘉明によって築城が開始されました。標高132メートルの勝山(別名:城山)の頂上に建てられた平山城で、その美しい天守と堅固な城郭で知られています。

現存する天守は1854年(幕末)に再建されたもので、日本の現存12天守の中で最も新しい天守です。松山城の特徴は、複雑に連結された連立式天守で、姫路城や和歌山城と並び、日本三大連立式平山城の一つに数えられます。

宇和島城(愛媛県)

愛媛県宇和島市に位置する宇和島城は、現存する12天守の一つで、美しい海城として知られています。別名を鶴島城とも呼び、城跡全体が国の史跡に指定されています。

築城は1596年(慶長元年)に藤堂高虎によって始まり、1601年(慶長6年)に完成しました。その後、1615年(慶長20年)に伊達政宗の長男である伊達秀宗が宇和島藩初代藩主として入城し、以降9代にわたって伊達家の居城として機能しました。現在の天守は1662年(寛文2年)頃に2代藩主・伊達宗利によって再建されたもので、独立式層塔型の3重3階建てとして国の重要文化財に指定されています。

高知城(高知県)

高知県高知市に位置する高知城は、江戸時代初期に土佐藩初代藩主・山内一豊によって築かれた平山城です。その後、1727年の大火で一部を焼失しましたが、18世紀中頃までに再建され、現在もその姿を保っています。

高知城の最大の特徴は、天守と本丸御殿がともに現存している点で、これは日本で唯一の例です。また、追手門と天守が共存して残る城は、日本国内でも数少なく、貴重な歴史的価値を有しています。さらに、城内には石落としや矢狭間塀など、当時の防御機能を備えた仕掛けが数多く見られ、築城技術の高さを感じさせます。

弘前城(青森県)

青森県弘前市に位置する弘前城は、東北地方で最北に位置する現存天守を持つ歴史的な名城です。津軽地方の象徴ともされ、桜の名所としても全国的に知られています。別名を鷹岡城や高岡城と呼びます。

築城は1611年(慶長16年)、津軽為信の計画を引き継いだ津軽信枚によって完成しました。当初は五層の天守を持っていましたが、落雷により焼失し、1810年(文化7年)に再建された三層の天守が現在も残っています。これにより、弘前城は日本の現存12天守の一つとして貴重な存在となっています。

現存天守巡りをして日本の歴史と文化を感じよう

日本には、江戸時代以前から現存する12の天守があります。これらの城はそれぞれ独自の歴史と建築様式を持ち、国宝や重要文化財として大切に保存されています。

松本城や姫路城のような国宝指定の城から、丸岡城や宇和島城といった重要文化財まで、それぞれの地域を代表する歴史遺産です。ぜひ訪れて、その魅力と日本の歴史を感じてみてください。